第1回実施報告・受賞作品
実施報告(2024年4月8日)
概要
アイデア募集期間:2023年12月1日(金)~2024年1月31日(水)
表彰式・シンポジウム:2024年4月2日(火)国際大学GLOCOMホールにて開催
今回のアワードには10代から70代までの幅広い世代から65件のアイデアが寄せられました。解決したい課題には、フェイクニュース・誹謗中傷・エコーチェンバー・フィルターバブル・情報格差・サイバーハラスメントなどが挙げられ、10代からは特に誹謗中傷への対応策のアイデアが多く寄せられました。研究結果をもとに練られたものから若者の純粋な発想によるアイデアまで、「情報的健康」と向き合うそれぞれの熱意が伝わりました。アイデアの一つひとつから、現代の情報のありかた、一人ひとりが望む「情報的健康(インフォメーション・ヘルス)」のかたちについて、大いに考えさせられるアワードとなりました。
4月2日に開催された表彰式・シンポジウムでは、グランプリ1作品、準グランプリ2作品、特別賞7作品の受賞者を称え、「情報的健康」を実現するための社会実装につなげるためのシンポジウムを開催しました。グランプリには、インターネットを使用している時の心の状態を社会のルールや対人距離など3つの尺度から数値化して確認できる「心組成計」というアイデアを提案した大学院生の温若寒さんが選ばれました。また準グランプリには、閲覧した記事の思想を分析して情報の偏りがないかをグラフで可視化させるというアイデア「偏食の可視化」(高口研究室13期生)と、高校生にアクセス数を稼ぐ記事のタイトルを考えてもらうワークショップを通じてフェイクニュースの構造を学んでもらうアイデア「フェイクニュースを身近に感じるワークショップ」(内田響さん)が選ばれました。
選考に参加した研究者、ジャーナリスト、プラットフォーマー、ニュースメディア、企業の経営者が登壇し、情報の受け手・送り手、双方の立場で課題やそれぞれの視点での熱い議論が交わされました。受賞したアイデアは、今後、社会実装に向けて検討を進めていきます。
選考委員
伊藤和真(株式会社PoliPoli 代表取締役)今子さゆり(LINEヤフー株式会社 ヤフーメディア統括本部 編集2本部 メディアトラスト&セーフティー推進室長)
久保光証(株式会社Gunosy 執行役員)
佐々木興平(佐々木食品工業株式会社 代表取締役社長)
高田昌幸(ジャーナリスト・東京都市大学メディア情報学部 教授)
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授)
早川ゆかり(グーグル合同会社 YouTube Japan ヘッド オブ レスポンシビリティー)
藤村厚夫(スマートニュース メディア研究所 フェロー)
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
山本龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
(50音順 敬称略)