第3回インフォメーション・ヘルスアワード

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第3回インフォメーション・ヘルスアワード

実施報告・受賞作品

実施報告(2025年12月27日)

概要

アイデア募集期間:2025年6月16日(月)~2025年9月30日(火)
表彰式・シンポジウム:2025年12月27日(土) 古賀政男記念館けやきホールにて開催
司会進行:松尾剛

第3回インフォメーション・ヘルスアワードは、アイデア部門と社会実装部門の2部門で実施し、10代から60代までの幅広い世代から、前回を大きく上回る246件の応募が寄せられました。2025年は、選挙や災害時に広がるフェイクニュース、AIを用いた情報操作、これらに対峙するファクトチェック体制の強化とその持続可能性など、情報空間の課題をより身近で体感する一年でした。こうした動きを受けて、教育現場や自治体、企業が連携して情報リテラシー向上を進める動きも広がり、インフォメーション・ヘルス(情報的健康)への期待がより高まる中での開催となりました。今回の応募作品には、ネット情報に対する批判的思考力の育成や情報の「リスク成分表示」、ユーザー主体の学び、多様な視点を取り入れる仕組みなど、実社会への即応性を意識したアイデアが数多く寄せられました。


部門ごとの選考委員会を経て、アイデア部門のグランプリには、古井菜月さんの『ニュースの答え合わせ365』が選ばれました。このアイデアでは、1年前のニュースを現在の結果と照らし合わせることで、報道や社会の変化に気づき、思い込みに左右されない判断力と情報リテラシーを養う点が高く評価されました。さらに準グランプリには1作品、特別賞に6作品が選ばれました。


社会実装部門では、事前選考で選ばれた5作品がピッチセッションにのぞみ、株式会社TDAI Labの福馬智生さんによる『Think Critical: 認知の罠を見抜くLLM』がグランプリを受賞しました。この作品では、SNS投稿に潜む感情的な訴求や論理的な誤謬をAIが自動検出し、拡張機能やボットで可視化するリテラシー支援ツールで、実装可能性と社会的意義の高さが評価されました。そのほか、1作品が優秀賞に選ばれました。


12月27日、東京・代々木上原の古賀政男記念館けやきホールにて、表彰式とシンポジウムを開催しました。オープニングトークに登壇の慶應義塾大学文学部 徳永聡子教授から、活版印刷の時代に生じた社会課題を振り返りながら、現代の情報環境の問題点と「情報的健康」の重要性について語りました。


シンポジウムでは、セッションの冒頭でこれまでの受賞作品のうち、財団のサポートのもと社会実装に取り組む3作品の最新状況が共有されました。


続く基調講演では、東京大学大学院工学系研究科 鳥海不二夫教授が、AIやSNSが情報環境に与える影響や情報リテラシー教育の必要性を解説しました。さらに、Yahoo!ニュースとYouTubeから、プラットフォームの視点から「情報的健康」に関する最新の取り組みが紹介されました。


「インフォメーション・ヘルスアワードを教育の現場で活用する~情報的健康を育む教育と社会の接点~」をテーマにしたパネルディスカッションでは、モデレーターを慶應義塾大学大学院法務研究科 山本龍彦教授が務め、5名のパネリストと教育現場の課題、自治体や企業との連携、テクノロジーの進化を踏まえた新しいリテラシー教育の方向性など、多岐にわたる視点から議論が交わされました。情報の質や背景を理解することの重要性があらためて共有され、参加者の関心を集めました。

表彰式・シンポジウム動画

「第3回インフォメーション・ヘルスアワード」オープニングトーク

  • オープニングトーク
    徳永聡子(慶應義塾大学文学部 教授)

「第3回インフォメーション・ヘルスアワード」表彰式

  • 表彰式
    アイデア部門講評(高田昌幸 ジャーナリスト・東京都市大学メディア情報学部 教授)
    社会実装部門講評(坂本信博 西日本新聞社 上級専門委員/メディア戦略担当部長)

「第3回インフォメーション・ヘルスアワード」シンポジウム1

  • 「第3回インフォメーション・ヘルスアワード」実施概要報告
  • 第1回受賞作品 社会実装報告
    グランプリ作品『心組成計』トライアル(三浦麻子 大阪大学大学院人間科学研究科 教授)
    準グランプリ作品『フェイクニュースを身近に感じるワークショップ』
  • 第2回受賞作品 社会実装報告
    社会実装部門グランプリ作品『ブラウザ上で動作する情報リテラシー支援ツール』(堀川祐生、小關則統、小林千晃 東京大学大学院)

「第3回インフォメーション・ヘルスアワード」シンポジウム2

  • 基調講演「情報的健康とAI時代の情報空間」
    鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授) 
  • プログレスリポート「情報的健康を支えるプラットフォームの挑戦」
    Yahoo!ニュース(今子さゆり LINEヤフー株式会社 Yahoo!ニュース部門 シニアトラスト&セーフティーマネージャー)

「第3回インフォメーション・ヘルスアワード」シンポジウム3

  • パネルディスカッション「インフォメーション・ヘルスアワードを教育の現場で活用する~情報的健康を育む教育と社会の接点~」
    モデレーター:
    山本龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
    パネリスト:
    下田耕作(鳥取県 デジタル局長)
    千葉貴志(株式会社電通 第4マーケティング局 未来シナリオコンサルティング部/未来事業創研プロデューサー)
    蜷川裕子(名古屋市立菊里高等学校 情報科教諭)
    水谷瑛嗣郎(慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所 准教授)
    野田昂希(株式会社TDAI Lab CTO/社会実装部門グランプリ受賞者)

選考委員

社会実装部門

江口清貴(一般財団法人LINEみらい財団 専務理事)
久保光証(株式会社Ericius 代表取締役CEO)
坂本信博(西日本新聞社 上級専門委員/メディア戦略担当部長)
佐々木興平(佐々木食品工業株式会社 代表取締役社長)
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授)
藤村厚夫(スマートニュース メディア研究所 フェロー)
馬籠太郎(株式会社電通デジタル パフォーマンスマネジメント部門ソリューション開発部 マネージャー)
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
山本龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)

(50音順 敬称略)

アイデア部門

今子さゆり(LINEヤフー株式会社 Yahoo!ニュース部門 シニアトラスト&セーフティーマネージャー)
小木曽健(執筆業)
片倉陽子(グーグル合同会社 YouTube Japan Head of Health and Civics Partnership)
小澤俊介(株式会社Gunosy テクノロジー本部 副本部長 VPoT)
坂倉忠夫(公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 専務理事)
高田昌幸(ジャーナリスト・東京都市大学メディア情報学部 教授)
千葉貴志(株式会社電通 第4マーケティング局 未来シナリオコンサルティング部/未来事業創研プロデューサー)
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授)
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
山本龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)

(50音順 敬称略)

受賞作品

アイデア部門

特別賞

広告のすき間で、ちょっとだけ社会知っとく?~社会のこと、広告にこっそり仕込んどきました~

同志社大学社会学部メディア学科 佐野美颯

広告のすき間に短いニュース解説を届け、日常の中で自然に社会の出来事に触れられるようにする仕組みです。情報の偏りを減らし、視野を広げるきっかけを生みます。

特別支援学級における情報的健康教育の実践

仙台市立郡山中学校 教諭 高橋香織

GIGAスクール構想が推進され、情報に触れる機会が早期化しています。情報の真偽を見極める力や偏りなく情報を摂取し、主体的に情報を選択・活用する能力を身に付ける「情報的健康教育」を実践しました。

ニュース多角メガネ~ニュースの偏りを見抜くカードゲーム~

駒場学園高等学校 戸田悠豊

SNSで情報が偏る仕組みを体験しながら、ニュースの真偽やバイアスを見抜く力を育てる中高生向けカードゲーム。アルゴリズムとファクトチェックの重要性を、楽しく学び、多角的な視点を身につけられます。

情報発信の信頼性向上を促す経済構造の提案

中村実樹

本提案は、Web記事における従来の広告主導の報酬体系とは別の、記事の信頼性や品質の高さが報酬に反映される新しい情報生態系を構想し、それを通じてアテンション・エコノミーの問題解決に繋げることを目的としています。

多対一の構図を可視化する投稿前ピクトグラムUI

藤田亜由美

投稿前に、同様の内容がすでに複数人から投稿されている場合、ピクトグラムで「多対一」の構図を可視化し、無自覚な集団攻撃への加担を防ぐSNSインターフェース。

一匹狼と見つける「取り残される喜び」:JOMOで開く自分らしい時間

大阪大学社会心理学研究室 阪大社心2025

他人のSNS投稿を見て生じる「取り残される不安(FOMO)」を「取り残される喜び(JOMO)」へ転換するために、キャラクターがメッセージを届けるアイデアを提案し、Web実験でその効果を検証しました。

「情報的健康」とは?

- 情報的健康プロジェクト

ネット空間で、
つい気が緩んでしまうことはありませんか?

そんな“タガの外れ”具合をチェックできるのが「心組成計」です。

12月15日をもって「心組成計」のトライアルを終了いたしました。
たくさんのトライアルありがとうございました。

第1回インフォメーション・ヘルスアワード グランプリ受賞作品

「心組成計」:ネット上のこころの健康をチェック(温若寒さん)(PDF)

過去の実施報告・受賞作品

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