「情報的健康」実現のアイデア
募集
「インフォメーション・ヘルスAWARD」は「情報的健康」のための具体的なアイデアを広く皆さんに募集し、優れたものを表彰するとともに、それを実現する(社会実装)支援を継続的に行なっていきます。
- 2024年度実施報告
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アイデア募集期間:
2024年6月14日(金)~2024年9月30日(月)
表彰式・シンポジウム:
2024年12月13日(金)古賀政男記念館けやきホールにて開催
司会進行:塚原愛(NHK財団チーフアナウンサー)
選考委員:
【社会実装部門】
江口 清貴(一般財団法人LINEみらい財団 専務理事)
久保 光証(株式会社Ericius 代表取締役CEO)
坂本 信博(西日本新聞社 編集局 報道センター 総合デスク)
佐々木興平(佐々木食品工業株式会社 代表取締役社長)
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授)
馬籠 太郎(電通デジタル パフォーマンスマネジメント部門ソリューション開発部マネージャー)
山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
山本 龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
【アイデア部門】
今子さゆり(LINE ヤフー株式会社 ヤフーニュース・リアルタイム検索本部 シニア メディアトラスト&セーフティー マネージャー)
小木曽 健(執筆業)
小澤 俊介(株式会社Gunosyテクノロジー本部 副本部長 VPoT)
高田 昌幸(ジャーナリスト・東京都市大学メディア情報学部 教授)
千葉 貴志(電通 第4マーケティング局 未来シナリオコンサルティング部/未来事業創研プロデューサー)
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授)
早川ゆかり(グーグル合同会社 YouTube Japan ヘッド オブ レスポンシビリティー)
藤村 厚夫(スマートニュース メディア研究所 フェロー)
山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
山本 龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
第2回インフォメーション・ヘルスAWARDは、社会実装部門とアイデア部門の2部門で実施し、10代から40代まで幅広い世代から104件の応募がありました。2024年は、能登半島地震での偽情報から始まり、なりすまし広告、パリオリンピック・パラリンピックでのアスリートや審判への誹謗中傷、兵庫県知事選挙におけるフェイクニュースなどが情報空間の課題としてクローズアップされました。そうしたなかインフォメーション・ヘルス(情報的健康)に対する理解が深まり、社会実装部門では実現性のある具体的なアイデアが、またアイデア部門では高校生を中心に若い視点から、数多くの斬新なアイデアが寄せられました。その内容も、SNS対策や偽情報対策、詐欺対策といったものがある一方で、知識やニュースに触れることの喜びを啓発する、気付かせる、というポジティブなテーマのアイデアにおよびました。
11月に部門ごとに開催した選考委員会を経て、アイデア部門は追手門学院大学の杉本幸大さんの『きっかけ:異なる視点との出会いをSNSで』がグランプリを受賞。SNS上では「“何”を言っているかよりも“誰”が言っているかに影響を受けやすい」という心理的な特性に注目し、多様な意見に触れるシステムを提案しています。そのほか、準グランプリには3作品が、さらにユニークな発想に着目した8作品が特別賞に選ばれました。
社会実装部門では9作品のピッチセッションを実施し、東京大学工学部システム創成学科の堀川祐生さん・三田地宏哉さんによる『ブラウザ上で動作する情報リテラシー支援ツール』がグランプリを受賞しました。このアイデアでは、AIが記事を自動解析し、事実か、記者の意見かを区別したり、一次情報か要約かを提示。さらにある事実を扱いながら、別の視点で書かれた記事が検索できるなど、情報を多様な角度から見ることも提案されています。そのほか社会実装部門では2作品が優秀賞を受賞しました。
12月13日には受賞者と選考委員を招いて、表彰式とシンポジウムを東京・代々木上原の古賀政男記念館けやきホールで開催しました。受賞者への賞状授与に続いて、シンポジウムでは選考委員と受賞者の間で、より良い情報空間の実現に向けて活発な意見が交わされました。
また、国際大学GLOCOMの山口真一准教授が基調講演でインフォメーション・ヘルスの最新状況を紹介。さらに大阪大学大学院の三浦麻子教授からは、第1回AWARDのグランプリ作品「心組成計」のトライアル版の分析に関する中間報告も行われ、実り多き一日となりました。
表彰式・シンポジウムの模様はこちらよりご覧いただけます。
※予告なく配信を終了する場合があります。ご了承ください。
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2024年12月13日(金)に開催された
「第2回インフォメーション・ヘルスAWARD」
表彰式・シンポジウムの動画を
公開します受賞作品の
資料は動画の下に掲載しています -
▲「第2回インフォメーション・ヘルスAWARD」表彰式
・開会あいさつ山本龍彦 (慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
・表彰式
▲「第2回インフォメーション・ヘルスAWARD」シンポジウム1
~異なる視点、広い視野のために~今子さゆり(LINE ヤフー株式会社 ヤフーニュース・リアルタイム検索本部 シニア メディアトラスト&セーフティー マネージャー) 小木曽健 (執筆業) 小澤俊介 (株式会社Gunosyテクノロジー本部 副本部長 VPoT) 高田昌幸 (ジャーナリスト・東京都市大学メディア情報学部 教授) 千葉貴志 (電通 第4マーケティング局 未来シナリオコンサルティング部/未来事業創研プロデューサー) 藤村厚夫 (スマートニュース メディア研究所 フェロー) 杉本幸大 (アイデア部門グランプリ受賞者/追手門学院大学 心理学部心理学科 人工知能・認知科学専攻) 北島慶士 (アイデア部門準グランプリ受賞者/東京大学・モノづくり大作戦) 勝本浩平 (アイデア部門準グランプリ受賞者/三田学園中学校高等学校・教諭) 木田直斗 (アイデア部門準グランプリ受賞者/関西大学 水谷ゼミ)
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▲基調講演 ・ 第1回受賞作品 社会実装中間報告
・基調講演「人類総メディア時代のインフォメーション・ヘルス」山口 真一 (国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
・第1回受賞作品 社会実装中間報告 グランプリ作品『心組成計』トライアル (大阪大学大学院 三浦麻子教授) 準グランプリ作品「フェイクニュースを身近に感じるワークショップ」(塚原愛アナウンサー)
▲「第2回インフォメーション・ヘルスAWARD」シンポジウム2
~情報的健康を社会実装するには~山口真一 (国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授) 久保光証 (株式会社Ericius 代表取締役CEO) 坂本信博 (西日本新聞社 編集局 報道センター 総合デスク) 佐々木興平 (佐々木食品工業株式会社 代表取締役社長) 馬籠太郎 (電通デジタル パフォーマンスマネジメント部門ソリューション開発部マネージャー) 堀川佑生・三田地宏哉 (社会実装部門グランプリ/東京大学工学部システム創成学科) 福馬智生 (社会実装部門優秀賞/株式会社TDAI Lab) 新井恒陽 (社会実装部門優秀賞/武蔵野美術大学大学院造形構想研究科 博士後期課程)
・閉会の辞 鳥海不二夫 (東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授)
主催:一般財団法人NHK財団
第2回 インフォメーション・
ヘルスAWARD
社会実装部門・アイデア部門 受賞作品
- 社会実装部門 グランプリ
(賞金100万円) -
ブラウザ上で動作する情報リテラシー⽀援ツール
東京⼤学⼯学部システム創成学科 堀川祐生・三田地宏哉若年層向けの情報リテラシー⽀援ツールをブラウザ拡張機能で提供します。記事解析にAIを活⽤し、事実と意⾒の区別、要約、⼀次情報の識別、メディア背景情報の提⽰、他視点の検索をサポート。学校端末への標準搭載を⽬指します。
- 社会実装部門 優秀賞
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”InfoCompass: 情報の海で迷わない、あなたの情報羅針盤”
株式会社TDAI Lab 代表取締役社⻑ 福⾺智⽣情報空間をLLMで分析しインタラクティブに可視化する「InfoCompass」を提案。
ニュース記事は質問⽣成・回答検証で観点を整理し、SNS投稿は態度と理由で構造化。図表やダッシュボードを通じて個⼈の情報摂取の偏りを可視化し、多⾯的な視点からの情報収集を⽀援します。Yaruki Switch Home : ⾃宅/⾃分⽤のやる気スイッチデバイス
武蔵野美術大学大学院造形構想研究科 博士後期課程 新井恒陽ON/OFFの意思表明によりスマホ利用に介入するスイッチデバイス。スイッチがONの場合、設定したアプリを開こうとしても閉じます。OFFの場合はそのまま使うことができます。単純に断ち切るのではないテクノロジーとの付き合い方を自分自身で探ります。
- アイデア部門 グランプリ
(賞金30万円) -
きっかけ:異なる視点との出会いを SNS で
追手門学院大学 心理学部心理学科 人工知能・認知科学専攻 杉本 幸大本提案は、SNS 上でユーザーが自然に自分とは異なる多様な意見に触れるための
「きっかけ」を提供するシステムを設計することを目的としています。具体的には人は「何を言われるか」よりも「誰が言っているか」に影響されやすいという心理特性に注目し、システムを構築します。 - アイデア部門 準グランプリ
(賞金10万円) -
情報空間にまつわるトラブル共有プラットフォームの提案 ~Oops Hub~
東京大学 モノづくり大作戦現在情報空間におけるトラブルは多様化しています。そのような中で自分が初めて見る情報に対しても冷静な判断を下すためには、個人のトラブルをコミュニティ全体で共有しておくことが重要だと考えました。そのためのトラブル共有プラットフォームを提案します。
体験学習型の詐欺対策「絶対払わないけど、騙されるだけ騙されてみた」
三田学園中学校高等学校・教諭 勝本浩平安全に詐欺を体験し対策を学ぶプラット
フォームを提案。金銭の支払いや個人情報の流出がない環境で実際の詐欺師とのやり取りを行うことで、詐欺耐性を向上させるとともに、詐欺のコストを増やし被害を減少させることを目指します。知ることに楽しさを
関西大学 水谷ゼミ 木田直斗新聞社と提携したアプリで、アプリ内の記事を読み、それに関するクイズに正解するとキャラクターの育成やコレクションを進めることができます。サブ要素として、偏向報道について認識できるクイズに答えるコンテンツも用意します。
- 特別賞
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そのネタ本当にバズってますか?サイレントマジョリティを可視化する「スルーメーター」の開発
大阪大学人間科学部・社会心理学研究室 社会心理学研究分野 実験実習受講生SNSにおけるフェイクニュースや誤情報の氾濫に対応するために、総閲覧者数に対する「反応しなかった」人の割合を示す「スルーメーター」の導入によって無意識の拡散行動を抑制するアイデアを提案し、実際にその効果を検証しました。
18禁広告を健全な広告にしよう
普連土学園高等学校 新井稟子18禁広告が不意に表示されるという問題の対策として、18禁広告を自分で作ったオリジナル広告に置き換えるアプリを考案しました。これにより、表示されてしまった恥ずかしさや子供への悪影響を避け、安心してWebサイトを利用できるようにします。
‘大きな”木”を育てよう
普連土学園高等学校 稲田小枝、大内讃良木の枝葉を情報の種類ごとにわけます。情報を受け取っている分野の葉は育ちますが、情報を受け取っていない分野の葉は枯れます。情報の偏りを防ぐものです。
重要なところをわかりやすく
普連土学園高等学校 藤田咲良子心の健康を高める10代向けのSNSアバ
ターシステム
松山東雲短期大学 梅本奈々・川北輝10代のユーザーのSNS使用頻度や投稿内容をAIが分析し、親しみやすい見た目のアバターが情報リテラシーに関する情報を表示します。SNSの膨大な情報にユーザーが疲弊する前に、メンタルヘルスを守るための予防的アイデアです。
記事誤解警報システム
みたほり班 堀川祐生アイトラッキングと記事解析を活⽤し、誤解を招きやすい箇所で注意喚起を⾏う読解⽀援システムです。重要情報の⾒逃しや途中離脱時には警告や補⾜情報を提⽰し、正確な理解をサポートします。
LLMとの対話における意⾒の偏りの強化対策
みたほり班 堀川祐生⽣成AIの偏りや過度な同調を検出し、多様な意⾒を提⽰するシステムです。ユーザーの意⾒傾向を追跡し、過激化や固定化を防ぎ、安全なAI利⽤と社会的健全性を促進します。
プロンプトで子どもを育てる時代の子供のプライバシー保護法
みたほり班 三田地宏哉AIを用いた親の子供モニタリングが進む中、子供のプライバシーと自主性を守るため、親やテクノロジー提供者への法的ガイドラインと規制を提案します。
- 過去の実施内容
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